転職活動の際の面接では様々な質問に回答をしますが、ほとんどの場合に最初に行うのが「自己紹介」です。
実は面接においてこの自己紹介が非常に重要なポイントとなります。転職をスムーズに成功させるためには、この自己紹介を含めて面接で良い印象を持ってもらうことが重要です。
本記事では、転職の面接で自己紹介をする理由、自己紹介で話す内容やポイントについて解説します。
転職での面接で自己紹介をする理由とは？
応募書類や履歴書を確認すれば応募者の情報は確認できますが、わざわざ面接でなぜ応募者の自己紹介を行う時間が設けられるのでしょうか？
実は、企業の採用担当者は、応募書類や履歴書だけでは把握しきれない応募者の内面を理解しようと考えています。まずは、転職での面接で自己紹介をする理由について理解していきましょう。
お互いの緊張をほぐすため
点所にあたっての面接は、応募者も、企業の採用担当者も、お互いが緊張しています。応募者は今後の転職に繋がる大きな一歩ですし、採用担当者も「どのような人物なのだろう？」と今後活躍してくれる人財を見極めようとしています。
そのため、面接をスムーズに、そしてお互いの会話のきっかけを作って緊張をほぐすためにも、面接の最初は自己紹介で始まるのです。特に応募者は緊張が強くて、固くなってしまうことが多いので、自己紹介を行うことで少しずつ自分という人間を開示することができ、本来の自分を出していけるようになります。それによって採用担当者も、普段の状態に近い応募者の姿を理解することができます。
応募者の理解を深めるため
面接において企業の採用担当者は、応募者の強みやスキルはもちろん人柄も見ています。自己紹介を聴くことで、どのような人物なのか、どのようなことを想いとして持っているのか、自社が求める人物にマッチしているのか、など様々な観点を自己紹介から知ろうとしています。自己紹介で話していた内容を元に、さらに質問を深堀しようとする場合もあるため、採用担当者は応募者の理解を深めようとしているのです。
応募者のコミュニケーション能力を見るため
応募者の自己紹介は、一般的に面接の最初に行うことがほとんどです。そのため、自己紹介で第一印象が大きく決まります。採用担当者は、きちんと自己紹介ができているか、分かりやすくマナーを守って話すことができているか、明るい声でスムーズに話せているか、など応募者のコミュニケーション能力をチェックしています。的外れなことを話したり、長々と話したりしてしまうと、評価にマイナスになってしまう可能性があります。簡潔に、相手が分かりやすいように話すことが重要となります。
面接の自己紹介で話す5つの内容
転職の際の面接の自己紹介では、簡潔に、相手が分かりやすい内容で話すことが大切です。おそらく面接当日に即興で行うのは難しい可能性が高いです。そのため、事前に自己紹介の流れや話す内容を考えておいて、スムーズに自己紹介が行えるようにしておきましょう。面接の自己紹介で話す内容は以下の5つを意識してみてください。
- 氏名
- 現職・職務経歴
- 強み・現職で身に付けたこと
- 志望理由・入社意欲
- 結びの言葉
氏名
まず最初は、「自分は何者であるか」を伝えるためにも、氏名を伝えましょう。氏名を伝えることによって、採用担当者は応募書類と面接を受けている人が同じだということを確認することができます。一言目は緊張すると思いますが、「○○○○です。」とシンプルに氏名を言いましょう。採用担当者の目を見て、ゆっくり、ハッキリ答えるようにするのがおすすめです。
現職・職務経歴
現在の仕事や今までの職務経歴などを簡潔に話しましょう。企業によっては応募者が多数いる企業もあり、そのような企業は採用担当者が1人1人の職務経歴をしっかりと確認する時間がない恐れもあります。そのため、自分の現職・職務経歴を知ってもらうためにも、簡単に伝えるようにしましょう。
職務経歴の伝え方としては、例えば、「株式会社〇〇で法人営業を2年間担当し、現職の□□株式会社で3年間、サービスの企画からマーケティング戦略の策定などを担当してきました。」のように、具体的な社名と年数、担当業務について簡潔に述べましょう。
現職で身に付けたこと・強み・実績
現在の仕事で身に付けたことや強み、実績や獲得などについて簡潔に説明します。ただし、ただ現職で身に付けたこと・強み・実績を話すだけではなく、応募企業で活かせる能力に関係している内容を話すようにしましょう。応募企業で活かせる能力に関係している内容を、具体的な数字の実績などと合わせて伝えると非常に効果的です。
企業が求める人物像や必要とする業務経験などを事前にリサーチしておいて、自分の現職で身に付けたこと・強み・実績とどのように組み合わせれるか考えておきましょう。
志望理由・入社意欲
なぜ今回その企業に応募をしようと思ったのか、志望理由についても簡潔に説明します。おそらく自己紹介の後に、詳しく志望理由について話す機会があるので、自己紹介の際は簡潔に伝えましょう。
前項の「現職で身に付けたこと・強み・実績」で伝えた内容に加え、現職で行った仕事内容に加えて「現職で培ったスキルをさらに御社で活かしたい」などと伝えると効果的です。また、「今まで培ったスキルを活かして、御社でこのようなことがやりたい」など、入社意欲も含めて伝えることができれば、さらに説得力が生まれるでしょう。
結びの言葉
前述した入社意欲も含めて伝え、最後に「本日はよろしくお願いします」と一言添えて自己紹介を締めましょう。細かな部分ですが、きっちりと挨拶で締めることができるというのは、好印象になる可能性が高いです。明るくはっきりとした声で、結びの言葉を行うのが重要です。
面接の自己紹介の3つのポイント
面接の中で自己紹介の時間は短い時間にはなりますが、この自己紹介で第一印象がほぼ決まると言っても過言ではありません。最初にしっかりと自己紹介を行うことで、面接のその後も採用担当者と和やかなムードで行うことができるでしょう。面接の際の自己紹介は以下の3つのポイントをおさえてみてください。
- 1分程度で完結に話す
- 表情や話し方も意識する
- 「自己PR」ではないことを心がけておく
1～2分程度で完結に話す
採用担当者の指示によって変える必要はありますが、自己紹介は1～2分程度で簡潔にまとめるようにしましょう。
例えば、「職務経歴を教えてください」といわれて「○○○○年に入社し、○年間営業に携わり、その後新サービス開発を担当しました。その中で顧客サポートも行いました。直近ではマーケティング施策策定に携わることも多くなり、さらには～……」などと長く話してしまうと、話をするのがあまり得意でない印象を与えてしまう場合があります。また、結局何が伝えたいのか相手が理解できず、あなたという人間を深く理解してもらえない恐れもあります。
要点を事前にまとめておき、伝えたいことを1～2分程度で完結に話すように心がけましょう。
表情や話し方も意識する
話す内容が重要なのはもちろんですが、面接では表情や話し方も意識するようにしましょう。「メラビアンの法則」という心理学上の法則がありますが、その法則では、人の第一印象に影響する要素の割合は、目線・表情などの視覚情報が55％、声の大きさ・話すスピードなどの聴覚情報が38％、話の内容などの言語情報が7％といわれています。実は話の内容より、目線・表情などの視覚情報や声の大きさ・話すスピードなどの聴覚情報が断然重視されるのです。
もちろん緊張はしてしまうと思いますが、緊張でうつむいてしまったり、声が小さくなってしまったりすると、採用担当者に良くないイメージを与えてしまう恐れがあります。第一印象を良くするためにも、大きな声やにこやかな表情、面接官の目を見て話すなど、表情や話し方もしっかりと意識してみましょう。
また、第一印象という面では、服装や髪形も重要です。きっちりとしたスーツ姿や、清潔感のある髪形などで良い印象を与えられるようにしておきましょう。
「自己PR」ではないことを心がけておく
自己紹介は、「自己PR」ではないことを心がけておきましょう。よくあるミスとして、自己紹介の時点で自分のPRを長々と行ってしまうケースがあります。自分のPRをしていきたいのは分かりますが、まずはあくまでも行うのは「自己紹介」です。
自己紹介と自己PRは異なるものです。自己紹介は自分の氏名や特技など、自分自身のことを簡潔に述べ、自分がどういう人間なのか相手に知ってもらうためのものです。これに対し、自己PRは自分の経験などから得られた強みを相手にアピールするものです。
自己紹介の時点でも簡単にPRを行っても良いですが、あくまでも簡潔に行いましょう。面接のその後で、改めて自己PRを行うタイミングがあったり、採用担当者がさらに内容を深堀してくれたりします。自己PRのタイミングになった際には、しっかりと自分の魅力を伝えるようにしてください。
まとめ
本記事では、転職の面接で自己紹介をする理由、自己紹介で話す内容やポイントについて解説しました。転職の際の面接の自己紹介では、簡潔に、相手が分かりやすい内容で話すことが大切です。事前に自己紹介の流れや話す内容を考えておいて、面接本番ではスムーズに自己紹介が行えるようにしておきましょう。自己紹介が単なる挨拶にならないようにして、自分が持っている強みやスキルをさりげなくアピールしながら簡潔に伝えることを意識してみてください。
